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まさる先生のブログ

新たな武道の境地を目指します

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M&SSの再起動ー17(不気味な乗客)

東沙環礁公園は真っ暗だ!

3~4時間眠っかな、キャビンの小さな窓も薄暗い気配だ。

夕食は、ミートの缶詰を解してレンジにかけ、トレイ代わりの器にトーストとサラダと野菜スープを付けて奧のキャビンに持ってゆく。

 

「食べ終わったら東沙環礁公園脇を通過するから、部屋を密閉して救命具を付けて待機しろ」と言って離れ、自分も同じような食事で済ます。

 

レーダーで周辺をチェックして、足元灯だけ点灯し静かに離岸する。

東沙環礁も自分の庭先と言った感じだが、この辺は岩礁が多いので要注意だ。

 

自分の海図にはマークしているので、大きく迂回するコースをゆっくり進む。

 


可なり進んだので少し左に切り東沙環礁の肥大側を通過したが、警備艇には気付かれずうまく交わしたようだ。

 

沖に出ると星明りだけで、左手のかなたがボヤッと明るいのは台湾の方角だ。

 

あの二人は、最初は神妙な態度だったが海に出た途端、強気な発言が多いが重装備に見えないが気になりだした。

 

目的が明確でなく、1000キロ近い航海を強要するほどの事が有るのだろうか?

二人の力量が見えないので,一層不安感が大きくなる!

 

1000$札束から禄に数えもせずポンと出すほど、大きなターゲットが大きいのか、得体の知れない仕事になって気が重くなりつつある。

 

海底深度も深くなり、うねりが大きく船腹に当たる波もビシッビッシと、石つぶてが当たるような音と衝撃音だ。

 意外と気弱なお客さん

アラファトが這うようにして操舵室に来て【大丈夫かな?】と声を掛けて来た。

 

「さっきも言ったろ、海は深く成れば波も大きくなり、こんな小さな船は木の葉と同じで、自分じゃコントロール出来ない状態になるのさ、それは常識だろ」と強めに突き放した。

 

「実は、イワンが船に酔って具合悪いようで唸って居るんだよ」と困惑している。

「そんな事、計画の想定内だろう、ここまで出て来て中止して戻るかい?」とカマを掛けてみる。

 

「帰る訳にはゆかないよ、先方から代金も入金して居るし、計画は実行しかないよ」と強気だが、迷っている様だ。

 

「いま中国と台湾のギリギリにいるが、もたもたしていると警備艇に察知され厄介だよ」と脅しながら、それでもかなりスピードを落とした。

 

何処の国でも、不審船を探知してむ直に攻撃はせず接弦して、事情聴取されるのが通常のパターンだからカンさんは落ち着いている。

 

「彼は、医療関係の学者で、このような荒っぽい仕事は初めてらしいんだ」と仲間割れ見たいな言いかただ。

 

「なんでそんなのと組むんだよ、知りあいじゃないのか?」とさりげなく聞く。

「初めてだよ、国もあいつはフランスだし、俺は全然ちがうから~」と濁す。

 

「おいヤバいよ、大陸のかな?警備艇が動き出したよ」

「どうして分かるんだい?」とレーダーを覗き込む。

 

「ここが東沙環礁だが少し離れた位置をキープして居たらしい、台湾か大陸か分らないが動き出したよ、どうする!」とアラファトの顔を睨む。

 

「う~ん」と唸りながら「行ける所まで行ってよ、あいつが部屋を汚したので、掃除するから何か貸して」と柔軟にになって来た。

 

「あの部屋の入り口に小さな扉が有り、開けると雑巾と小さなバケツが有るから、手洗い場から水を汲んで膝を着いてユックリ掃除してよ、水を溢すなよ!」と教える。

 

「了解した」と引き返して行ったがチョット心配だ。

 

カンさんも拿捕されると、本国の港まで連行され取り調べに付き合うことになる。何とか領海線が微妙だが抜けてしまいたい。

 

うねりが高くスピード上げると潜っちゃうので、スピードを押さえ気味にして左右に蛇行しながら、バスコを目指す。

 

フィリッピンの官憲も厳しいが、ある程度誠意を見せると、解放される。

 

カンさんも仕事とは言え、白日の下で堂々とした商売でもないので、結構裏の手口は承知している。

 

東の空も赤みを帯びて、ルソン海峡の島々が遠く確認できるが、大波を躱しながら蛇行運転では前に進む距離が足りなく情けない。

 

警備艇は5~60メートルもあるので、直線で進んでくる。

赤色灯も回転・点滅、大型の照明灯も点灯した。

 

逆らえない!

認識したら減速しか手が無い。

 

アラファトが慌てて操舵室に駆けつけて来た。

「どうしました?」と減速を訝しげに覗く。

 

カンさんは顔を後ろに頭を振ると

「あっつ」と叫んで腰砕けの様に座り込む。

 

中國国旗を靡かせた公安海上警備艇が、真後ろについて徐行している。

 お馴染みのリュー艇長

まだ領海内なのだろう、海上警備官は笑顔で話しながら

 

「你要快點去哪裡?」(カンさんそんなに急いで何処へ行くのですか?」と聞いている

 公安警備で良かったと安堵する!

台湾なら、東沙環礁警備隊も香港・マカオとは友好関係深いので、時間が掛かるが穏便だ。

「我要去哪裡知道」(何処へ行くのか分らにまゝ、走っています)とカンさんが応える

「有顧客嗎」(誰かお客さんが居るんですか?)

 

「是的,兩個人都在騎」(はいお二人乗って居ます)

「登上面試吧」(それでは乗船して、面談します)と艇長がロープを投げて来た。

 

カンさんが素早く係留ロープをリング通して固定する。アラファトはいつの間にか部屋に戻ったらしい。

 

顔見知りのリュー艇長が、部下を一人連れて乗り込む

「またキレイに整備したね」ニコニコしながら、部下に聞き取りをして来いと命令。

 

操舵室脇の子椅子に掛け、「どこの人?」と聞く。

「何か良くわからないのですよ、パスポート複数持って居るようで、サイパンまで行けと途方もない脅しでした、助かりました」と本音を話す。

 

 「それは深く知らない方が安全そうだね」と頷く。

「何か、国の組織から大金で動いている感じですね」とカンさんは率直な気持ちを云う

 

リュー艇長もゲストキャビンに入り、聞き取りに参加する。

船上で聞き取りが続くことは、曳航さることは無くなったかな?と安堵する。

 

公安警備の二人は、持ち物全部を没収して二人を猿轡・両手足を固縛して、キャビンのベット上に置いて出て来た。

 

パスポートはスマホで撮影し、他の物もリックを開いて上から撮影し

「持ち物は返却、人物は出港元の公安に送致する事にします」静かに伝える

 

「カンさんは脅しに従ったので、おとがめなしとします」とあっさり決まる。

「それにしても、大金を持ち過ぎているので、本部に問い合わせ後で処分を決めます」

 警備艇を曳航して

「カンさんはUターンして最短でマカオに向かい、その後を私たちが付きます。本来は曳航ですが、追尾ですね」と笑いながら、無線のチャンネル合して戻って行った。

 

全く民主的なお裁きで、いつもながら感謝するカンさんだ。

カンさんのクルーザーは、昨夜の半分のスロットルで警備艇を従える形で東沙環礁海域を離れる(^^♪

 

この続きは、
M&SSの再起動ー12(領海を超えた追跡劇は封印?)

M&SSの再起動ー13(マカオ科学館の岸壁で受け渡し)

で記述掲載しています。

 

カンさんの誠実な人柄が、周りから信頼されて重大事件の兆しが穏便に収着しそうです     

                  提供:中華民國 海洋國家公園管理處

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東沙環礁は台湾の領域で渡りの野鳥の重要な休息地と、存在位置が微妙な要衝だ