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少年期のいじめの境遇から一念発起~

挫ける心を叱咤して-5-藪こぎ縦走全面見直し

【ブログのバージョンアップで改訂版です】

祖父の推薦でスタート地が決まる

広沢寺温泉を教えてくれたのは、やはり祖父だ。最近は情報交換を含めて、週に1~2回はやり取りしているが正月初めに 『高校生活の集大成として身体というか心身かも知れませんが、耐久力を試したいのでが~』と、相談すると 『それはいい考えだが、どんなことをやるんだい?』と聞かれ 『神奈川の高山を東から西へ歩いて見る積りです』と、伝えると 『なかなか大胆な発想だな、大山から丹沢山系はヒルが発生するらしいから、時期も検討しなくちゃな』と、忠告してくれた。

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丹沢山系の東端に位置する大山
祖父はアプローチしてくれた

『計画は進めて良いだろうが、チョット知り合いが居るから相談して、後でReメールするよ』と、次の日メールで 『スタート位置が決まっていなかったら、厚木の広沢寺温泉からどうだ!』と、来たので折り返し携帯で話した。
「広沢寺温泉は初めて聞く温泉ですが、何かあるんですか?」
「実は、ここも大学時代の友達がいるんだよ、広沢寺と言うお寺の住職で、大学の4年間は一緒だが、卒業直後に跡継ぎの兄が病死し、父親の住職から嘱望され仏教関係の大学でやり直した経歴を持っているんだよ」
「その人が、温泉もやっているのですか?」
「直接じゃないかも知れないが、旅館が1軒あり敷地の続きにあるようだったな」

 

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クライマー憧れの岩場

「それより、広沢寺温泉の近くは、ロッククライマーの訓練で有名らしいよ」
「クライマーって、岩登りの登山みたいなやつですよね」
「そうだよ、なんか垂直な壁みたいな岩場があって、なかなか厳しいトレーニングになるらしく、同好者の間では有名な場所らしいよ」
「僕には、そんな友達が居なくて、地元で近いのに全然知りませんでした」と、答える まさるは直ぐネットで調べてみると、小田急愛甲石田駅から、バスで広沢寺温泉に入るようだ。登山ガイドで詳細を見るとルートの消費時間も詳しく出ている。 これなら、ショートカットすれば時間短縮も可能だと、勝手に判断して3日もあれば踏破できると計算した。

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曹洞宗廣澤寺の山門、歴史を感じる佇まいで、思わず襟をただしこうべを下げる

素人の無謀なプランは一蹴

当初、素人の勝手な計画で広沢寺温泉から西の県境の菰釣山まで、地図上に直線を引き登山道路を外して縦断する積りだった。 相模鉄道で海老名に出て、小田急の各停で愛甲石田駅で降りる。バスで広沢寺温泉に向かい、終点で降りる。祖父の紹介なので広沢寺を目で探すと、バスの折り返し地点でザックから、ロープやカラビナを下げたクライマーらしい人や、ハイカーみたいな軽装の人も大勢たむろしていた。 やはり、登山口にもなっているらしく、まさるも気持ちが高揚してくるのが、わかる。

 広沢寺に到着

 一軒しか無いと言う旅館の前から、右側の山門をくぐる。 祖父の友人の住職にあうと
「なんだ元気なスポーツマンじゃないか」と、笑いながらまさるを庫裏に招いた。 祖父が事情を話したようで、まさるの目的は承知して居たが
「それで、どんなルートで登るの?」と聞く。まさるは自分のプランを、マップに線を引いたのを見せた。
「えっ これは素人のワシが見ても、可なりきつそうだな明日の出発だろうから時間は十分あるね」と、言いながら
「こりぁ~専門家の信ちゃんも交えて、詳細を詰めようか」と、受話器を取った。

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専門家のご出馬

「今、時間あるかい?、うん~ちょっと専門家の手を貸してくれないかな、わしの専門外でね~待っている」と電話を切ると、5分もしないうちに
「どうしたの~専門外とは、何をやるんですか?」と、40代の陽に焼けたがっしり人が訪ねてきた。
「あっ御免なさい、お客さんだったんだ」と、まさるに会釈をする。
「そうだよ、君の所にお世話になるお客さんだよ」
「あっそうか、横浜の柏木さんですか?」と、住職が泊宿も予約していたらしい。

専門家の検証判断は?

住職が、簡単にまさるのプランを話す。
「えっ これが縦走のプランですか? どれくらいの経験ですか?」と聞く。 まさるは、正直に今までやっ来た、合氣道とランニングやトレッキングの体験を話しながら 「月に1回か2回くらい、奥多摩の登山道を歩いています2時間行ったら2時間かけて戻るようにして、山に慣れようとしました。ただ藪こぎなどの経験はないです」

低山の縦走は半端じゃない

う~んとうなった、信さんは
「それなりに覚悟は出来ているようですが、丹沢山系は低山の部類で簡単そうに見えますが、害獣対策でいたるところに通電柵が張り巡らされ、人間が歩くのも凄く気を遣うんですよ、それに単独行で無整備な登攀路は危険もあるし、誰か付けて遣りたいんだが予約でいっぱいだしな」と、目を閉じ
「日程的には何日くらいを考えていますか?」
「3日くらいで、予備日を2日とっています」
「縦走だけなら、そんなに掛からないですが、途中で何かやるんですか?」と、さすがに鋭い。
「やはりバレていますね!実は人眼につかないフラットな場所を見つけて、合氣道の復習的なもので、結跏趺坐で瞑想の時間を取りたいと考えています」
「そうですよね、予備を入れて5日も歩いたら、山中湖まで行っちゃうんもんね」
「座禅なら、うちで本堂でやればいいじゃないか」と、住職も考えてくれる。
「住職は、そっちのほうの専門家だが、自然の中で小鳥の声くらいしか聞こえないところで、目をつむるだけで心が洗われるような清々しい気持ちになるんですよ」と、まさるの代弁を、旅館のご主人で通称「信さん」がして呉れた。

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住職も修業時代を思い出す

「それは俺だって、修行で永平寺の穴倉に籠ったことがあるが、あれは恐怖だったな」と、昔を思い出したような顔だ
「それじゃ住職も一緒に行って、電柵の中に入って山中修行を手伝ってくださいよ」と、信さんが茶化す。
「そうか、裸電線が張ってるのか」と、住職も認識して居なかったようだ。
「そうなんですよ、行ってみれば分かりますが、鹿とイノシシが我が物顔で荒らしまわって、雑木林の下草や木の皮まで食べつくして大変な問題になっているんですよ」
「それが電柵でバリケードしたら、電柵のない登山路から農地まで降りて来るので、山だけの問題では無く登山やクライミングにも影響しそうなんですよ」

プランの見直しを進める地元の専門家

「どうでしょう柏木さん、ここの実情を考慮しプランの見直しを考えませんか?」
「住職は専門家と言ったが、私は旅館業が専門で偶々弁天岩の保存会に名前を連ねているだけですよ。この付近の山は子供のころからの遊び場ですからね、それなりに知ってはいるのですが~」
「昔は、鹿やイノシシたちは数も少なく、麓まで降りてくる鹿は居なかったようですね」

「当時は、猟師も居たし各家庭も薪を使って居たんでしょ、住職は知っているでしょ」 「そうか最近は鉄砲撃ちも居ないか?」
「害獣になった鹿が降りて来るので、鹿の寄生虫のヤマヒルが下草や笹の陰で繁殖するらしく、大山・丹沢のイメージダウンになって居るんですよ」
「家の親父に聞いたのですが、昔は何処の山も下草を刈り、雑木も間引きをしていたのですが、最近は、山の手入れをする人も居なくなり、薪にも不自由しない時代になって、こんな山奥でもプロパンガスで炊事を遣る時代ですからね」と、旅館の信さんもお手上げポーズでがっかりしている。 まさるは、大山・丹沢が遠くで眺めるより、厳しい実情があることを知らされた。

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まさるの決意

まさるは、自分の体験を克服するには、協力者には素直に話そうと切り出した。
「大体無謀なプランだとは分かっていたんですが、僕には勝手な計画があって、祖父には話して居るんですが、合氣道も山歩きやランニングも友達や家族も知らないんです」 「えっどうしてそんな秘密行動をとるんですか?」
「自分では特別秘密とは思って居ないのですが、中学時代まで6~7年イジメにあって、自死も真剣に考えたこともありました。今回の縦走は、合氣道と空手を稽古して道場では認められて来ました。だがそれが本物か確める手段として、他人の目に触れない場所で、自分の力と言うか耐久力を試して見たいのです」
「えっまさるさん、そんなことをここで話して良いんですか?」と、信さんが驚く。住職は頷くだけ。
「はい自分では、とっくに吹っ切れているんですが、当時を知る両親や友人は未だに弱いまさると思い込んで居るようなので、大学に進学前に学んだモノが見についているか試そうと思ったのです」と、まさるは自分の決意を初めて他人に話した。

まさるのプランはズタズタに切られ再設定

住職と信さんに、信じて貰わないと始まらない話なので、まさるは真剣に話した。信さんと一緒に旅館に移動、夕食もそこそこに2時間くらいかけて、プランの練り直しをした。8割くらいは通常の登山ルートに修正、翌朝は昨日のスポーツウエアを小さくたたんで、ザックの底に入れた。少しクスンダ迷彩色の上下に、防水ブーツに履き替え戦闘準備完了で静かに玄関を出ると、信さんが外で待っていて
「絶対無理をしないことを約束してくださいよ!何かあったら必ず山小屋に入るか、途中ならスマホで私の所に連絡してください、山小屋には連絡して置きますから、私の名前を出して協力を得てください」
「わかりました、ポイントごとにスマホかメールでお知らせします、有難うございました」と宿をでる。