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少年期のいじめの境遇から一念発起~

自業自得-その5-墓穴は自分で掘る

当日の4時間前まで工事

当日、午後もバタバタと忙しなく動いている。警備の状況をデジタルレシーバーでチェックすると、増設した監視カメラが不調でテストが続いていた。まさるはイヤホンで、チェックしているのでターゲットの動きも、警備体制も手に取るように分る。料亭の調理場は、前日から準備に入り当日は魚介類の調理に絞られている。警視庁の警備部門のチェックは、監視カメラの調整中から始まったが、2.3階は「立ち入り禁止」の黄色のテープでバリケードし、その分早く終わるかと考えていた。ただ、監視カメラの映像が既存の配線と混線し指令室に増設した機材で、全体にざわついた雰囲気が残った。レシーバーの音波は警備と同じで、まさるも切らずに傍受できる。料亭のスタッフは15時過ぎから、最後の清掃を開始16時過ぎには終了する。掃除終了後、警備の主任が部下2人を連れて、再度点検に入ってきた。まさるも行動しようと、ザックの中を整理していたが、レシーバーから
「最終チェックに入る」と言う、至近で声がする。慌てて電源を落として作業を中断、階下を巡回しているようだ、警備はいつになく緊張しているようだ。

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ターゲット動く

17時を回ったので、デジタルレシーバーの電源を入れ、ザックを左手に抱えて移動する。トイレの点検口に近づきザックを傍らに置いて待機、レシーバーのイヤホンでターゲットが官邸を出たことを確認。外が夕闇で、視認しにくい状況になったことが報告された。レシーバーには、逐一移動の情報が入り少し緊張してくる、現場の警察官の声は早口で聞き取れないことが有り、指令室から指摘され再三の入信を強制される場面もある。料亭では、玄関から少し奥の貴賓室に前菜などをセットし、小型のカウンターを座敷の廊下側に配置、ホット一息入れると、料亭前に接待側の到着が知らされる。イヤホンを外して耳を澄ますと玄関との距離は14-5メートルなので、話声も聞き取れる。料亭の玄関わきの応接間に、招じ入れたようだ。4-5分すると、レシーバーがざわつく。ここで佐々木警視正のアドバイスが、現実に動き始めまさるも少し慌てるが、ルーチンをなぞって瞑目する。

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心落ち着かせる和風な造り脂ぎった輩にも和らぎをもたらす

 想定がこうもうまく当たるとは
レシーバーのイヤホンを耳に差し込むと、警備主任の緊張した声が
「WSPだけか?」と大きな声がする。(これは、女性のSPだけが同行するのか?と問いただしているようだ)
「Topの指示です」(ターゲットの指示で女性一人が同行することを指している)
「了解」(警備主任は了解したようだ)

警備主任は、もうじき到着する、主賓の動きに集中しているので、接待側の警備は現場側に任せ迎賓館に近いポイントに居た。
まさるは、警備通信を傍受し違和感を覚えたが、ターゲットが佐々木警視正の想定通りの、生理現象で勝手に動き出したようだ。

まさるの想定も同じで、迷いもなく動き素早く降下、奥の空いている個室に身を隠す。やはり声高に近づき引き戸を少し引いたようだ。また何か言った
「君たちは戻って良いよ」と聞こえる。全く無防備な状態になるんだぁ~と、まさるが感心する。

滑りの良い、引き戸が開いた様で、スリッパを脱ぎ畳に立ったようだ。
瞬間まさるが、音まなく個室から体を晒したが、ターゲットは個室の中に体が入って、後ろが見えない。まさるは、すーっと体を寄せ引き戸を抑え、右手なターゲットの口を塞いでいた。

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夜のとばりがかすみゆき、夢のきざはしながれゆく


朽ち木が倒れ歴史が替わる

特徴のある目をぎょろつかせ
「うぐっ」と言ったが、まさるの強烈なわき腹から突き上げ当て身で、体の力が抜け崩れる。まさるは引き戸を締め、短く切ったガムテープで口から後ろにをグルグルと巻きつけ、両手、両足を結束バンドで固縛する。もぞもぞ動く。

このミッションは「究極の仕留め」に準ずるで、落命しても許される作業だ。まさるの手加減しだいだ。
「聞こえますか?」と声を掛ける、頷いたようだ。
「何でこうなって居るか分かりますね?」と気く、頭を振ったようだ。

「私はあるところから指示で、あなたを消す指令を受けました。国民もあなたを信頼して居ません」と、右手の親指で喉元をぐいぐいと押す。白目に出血が見える。

まさるがそこで止め
「苦しいですか?」と聞く。やっと頷く。
「それでは、生きて恥をさらして悔いてもらいますか。死ねばこの料亭にも迷惑が掛かるので、あなたが辞職し隠居することを約束すればこのまま立ち去ります、もし引退しなければ、又何処へでも出没出来るし、次に会ったら必ずこの首を折ります、分りますか?」と、左手で左側の首の骨を摘む。
頷いたので素早く右側の首筋に一撃。ぐったりしたので、手首で脈を確認、手と足の結束をさらにリンクさせ、息を吹き返しても手足が動けない逆エビそりに丸める。廊下の気配を読んだが動きが無く、素早く鍵穴に金具を入れて鍵を外からかける。

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撤収はそよ風の如く


それからのまさるの動きは、小動物のように動きに近い速さで、点検口に這い上がりザックを肩に、2回の非常口からするすると地上に降りた。そこで周りの気配を読み地上を這うように裏木戸に張り付く。鍵は無く閂が差し込むタイプで、引きあげると軽く動いて抜けた。引き戸を引いてみると思いが少し開き向かい側に汚いセダンが止まって居る。

まさるは、作業帽をとり髪を手串でかきあげ、道沿いに歩き出す。セダンも静かに動き出しUターンして徐行した。ほとんど止まりそうになって後ろのドアが開いて、まさるが吸い込まれた。セダンは慌てる風でもなく、バックミラーに注視しながら
「Accomplishment」(アカンプリシュメント)と低い声でつぶやく。
「Finished」(フィニシュト)と、短く返事する。

車は、5分位でホテルの駐車場に入ったが黒の小型バスに横付けすると、あっという間に全員が乗り移る。静かに動き出さだしたバスは、ホテルの近くの首都高入り口から流れにのる。まさるは今まで来ていた衣服は全部はぎ取られ、パンツも変える。待っていたヘアードレッサーがシャンプーし、顔も蒸しタオルで拭き取り、シェービングしファンディーション見たいなものでメィクして呉れる。フィリピンの時は自分でやったが、今日は王様の気分だ。誰も話掛けないが、全員がレシーバーを駆使して受報収集にあたって居る。

チームリーダーのお出迎え

佐々木警視正が、体を回して
「完璧だったねぇ~」と右手を出して握手する。
「まだ発覚しないのは、情報統制しているようだが、警戒ネットが張られないのは腑に落ちないんだ」とイヤホンを手にした。

「あぁ~状況を簡単に披露できるかな」
「はい分かりました」と、経過を報告し
「佐々木警視正の想定通りの動きで、こっちが慌てました」と、到着直後にトイレに来たことを披露。
「即日、辞職・隠居しない場合は、次に会ったらここの骨が折れますよ、首筋を撫でて上げました」と本当の話を報告した。

皆も、楽しそうに笑い出した。
「最後に、首筋に当身を当てて一瞬気を失いましたが、脈を診ると動いて居ましたの大丈夫でしょう」
「私もその場に立ち会いたいかったね」と、佐々木警視正も上機嫌だ。
「何処まで隠せ通るか、見ものですねぇ」と鈴木警視も笑顔だ。
地味な小型バスはノンストップで空港駐機場に入る。まだ搭乗が始まらない鶴マーク中型機わきに、静かに寄ってゆく。

まさるは、スーツ姿に軽いコートを抱えビジネスバックを下げ、バスから降りる。航空会社の職員が書類袋をまさるに渡し、チョット説明して軽く敬礼をして離れて行く。すかさずタラップ脇にいた女性スタッフが
「どうぞ、ご搭乗願います」とまさるを先にして自分も佐々木警視正たちに黙礼して登ってゆく。