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少年期のいじめの境遇から一念発起~

久しぶりの国内ミッション-12-ミッション2

 臨戦態勢の見張り

前日の午後も張ったが動きは無く、翌日は夜明け前に行動不審な工場の出口のタイヤ痕をチェック、雪が5センチほど積もったが車の出入りは無いようだ。エゾ松の陰にワンボックスを入れ、日野さんが貯木場で待機し、動きが有ったらスマホでコールすることにした。

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退避ゾーンは原生林が残っていた
まさるの生い立ちが話題になる

同じ車で2人で見張っても無駄なので、交互にエゾ松の隙間から工場から林道に出る部分を双眼鏡でチェックする。
「柏木さんは、合気道の有段者と言いましたよね」と、静かに話す。まさるは前方の林道の奥の工場の出口に焦点合わしたまま、Yさんと話をしながら
「そうです、落ちこぼれの境遇から抜け出せなくて、もがいて居たのでしょうね。6~7年ぶりに逢った祖父が、大学時代の友人で合気道の道場主に紹介され、それがきっかけで自分の進むべき道を見つけました、母が前から祖父と相談して居たらしいです」

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 Yさんの褒め殺し

「そんなきつい境遇を経験したようには見えないですが、心の芯が強いんですね、それにあのツキは合気道だけじゃないでしょう?」と、鋭い指摘だ。まさるは笑いながら
「そんなに褒められても何も出ませんよ、やっぱりバレテいましたか?」と、笑う。
「いやぁその明るさですよ、こんなミッションを任してくれる佐々木さんも凄い人ですが、受けてソツ無く成し遂げる柏木さんは凄いと思います」
「ある目的が出来て、合気道の師匠には内緒で、空手も並行し習いました」
「やはりね、合気道接触プレーは少ないが、空手は違いますね」

 悪夢がまさるを成長させた

「それは、小学・中学と悪の見本みたいのがゴロゴロを見ていたから、善悪のけじめのつけ方を身についたのでしょうか?」
「ご両親も気付いて、居たのでしょう?」
「僕は、何度か話したのですが、学校側に連絡すると逆にイジメの頻度が多くなり、言わない方が痛い思いしないことを学習して告げ口はしなくなりました」
「学校も、地元との繋がりを大事にする土地柄か、転勤族は無視される風潮があって、真剣に取り合って呉れませんでしたね」
「どこですか?そんなとこまだあるんですか?」
「九州の福岡です」
「あぁ~聞いたことがあります。その筋の関りも強いと聞いたことがありますが」
「それも在りましたね」

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長期戦の懸念ランチも交代で

2人で、盛り上がっていると、日野さんのランクルが傍に来て
「交代でランチにするか」と言う。
「はい分かりました」とYさんの顔を見ると
「先にわしが見るから、2人で先に食べなさい」と、車を進め木の陰に入れた。
ワンボックスの後部座席に移動して、奥さんの心のこもった五目稲荷と、ポットに入っていたのは肉の味がするスープだった。
「美味しいね、食堂で頂くより手がかかっていますねぇ~」と、Yさんの感想。
「僕が厄介になるようになって、気を遣わしてますね~」と、まさるが恐縮している。
「今朝は、結構早くから取り掛かってんでしょうね」

元デカ長の助言

まさるは、食事が終わりランクルの窓をノックして
「いただきました、交代します」と、日野さんに声を掛けた。
「動きが無いが、さっき若いのが林道から国道の方を見に来たが、引っ込んだな」
「それでは、午後から動きますかね、ここから苫小牧なら2~3時間ですから夕方のフェリーには余裕で乗れますね」
「この間の襲撃が、情報共有されていないようだから、案外うまくやれそうだが絶対手抜きしないで、絞る時は死なない程度までやるんだよ」
「これはデカ時代の教訓だが、ヤサ入れのなど慣れてくると見落しが出るからね!」と言いながら降りて行った。まさるはそのままランクルで見張りに入る。

 今日は、兎に角捕獲目的だから、強硬作戦になるのでまさるも緊張気味だ。Yさんが、白装束で若いエゾ松根元から匍匐し、国道の側道の除雪した影を進んでいる。日野さんも食事が終わり、ランクルの運転席に乗る。助手席にいたまさるは、静かにドアを開けワンボックスの運転席に入る。Yさんの意図を察知した日野さんが窓から体を乗り出して、ワンボックスを前に来るように合図する。まさるがランクルの後ろに着けて、降りてランクルに近づく。
「Yくんが林道出口に潜むようだから、Yくんをマークしなさい私はこの間のように偽装のスタックで国道を封鎖するから、もうちょっと離れたゾーンに待機する」と言いながらランクルを国道に出して滝上方面に行く。

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 斥候は元陸自の士官

Yさんは、白ヘルにフェースマスクも白を装着、林道の国道を挟んだ向かい側の除雪した塊の間に入った。まさるを意識して一度立ち上がり、その後はほとんど見えない。
よく見ると、枯れ枝が一本立ててあり、目印を立ててくれた。30分位経って、まさるのスマホが振動した
「Yです、いま出そうですこの間より短いですから2回くらいで切り替わります」
「了解!」と言ってワンボックスが走り出す。Yさんはその位置からまさる寄りに雪をかき分けて走り出し、道路に膝を着きまさるを待つ、まさるが徐行し助手席の窓ガラスを開く、Yさんが窓枠に両手を掛けてステップに乗った状態で体を縮ませる。スピードを上げたワンボックスは前回のポジションで徐行し、Yさんが雪の塊の奥に飛び込んだのをサイドミラーで確認しながらハンドブレーキに手を掛ける。ちょうど4トントラックが、国道に頭を出したところだ。

 

 4輪駆動をスピンさせスタック工作完了

まさるは、スピードを落とさずハンドブレーキを引きながらブレーキを踏む。リヤーが流れ車は斜めになって、反対車線にはみ出し停止した。まさるは迷彩色のフェースマスクをつけた顔をハンドルに預け、サイドミラーを見る。前回と同じように、助手席から小走りに寄って来る人影を見ている。腕を前に出した状態で、顔を隠し今日の助手は年配者だ。車の後ろを確認するように覗きながら、運転席のウインドーをコツコツと叩き「大丈夫ですかな」と関西なまりのようだ。もちろんまさるは気づかない振りだ。
「もしもしケガをしていますか、ドアを開けますよ」と、がちがちとドアノッチを持ちた。まするは、外気の吹込みを感じた瞬間思いっきり強くドアを押した。今回も顔を近づけていた顔面を真面に捉えノックダウンだ。


手慣れた結束バンドで固縛終了

飛び出した、まさるはガムテープを口と眼にぐるぐる巻きにし、両手足を瞬時に固縛する。後ろのトラックでも、Yさんが運転手をぐるぐる巻きにし、運転席に押し込んだ。まさるも、ワンボックスの後ろに担ぎ込み、車を退避ゾーンに入れる。トラックも続けて入ってきた。ランクルも、何事も無かったようにゆっくり退避ゾーンに入る。国道273号ははいつもと同じ、野鳥が飛び交う静かな冬景色に戻る。