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少年期のいじめの境遇から一念発起~

久しぶりの国内ミッション-9-実行

3日目の張り込み

落葉樹と針葉樹の混栽が、ミッションにとっては最大の武器になった。実行体制で見張ること3日目の13時ころ、動き出した。まさるとYさんが朝から出動して、ランチも終り別々に林道奥で用をたし、ソロソロかなと言いながら、体を乗り出して浮島方面を覗いていると、会社の車がスピードを上げて接近してくる。
「あれっ社長じゃないですか?」と、Yさんが車から飛び降りた。社長の日野さんが
「いま大型車が出るところで、奥の方で切り返していたよ!」と、言う。Yさんは、何も言わずに、まさるに合図助手席に飛び込んできた。

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ちょっと荒れ気味の天気だが通る車も見当たらない
接近する通行車両なし

まさるは、左ドアが開いたままの状態で、左右の車線を確認して視線は右側に集中し急発進のように走り出す。日野さんは、何も言わずに、見送る。前方の車はまだ頭を出していない。まさるもフェースマスクをかぶり、Yさんは、つま先まで真っ白の白装束。右側の林道でようやく正面に向いた大型トラックが動き出したところだ。まさるは前方を見ながら、スピードをあげる。日野さんは、まさるたちの車を追うように車道に出るタイミングを計っている。

日野さんの援護走行

大型トラックは、予想通り浮島トンネルの方に向けてユックリ切り返している。日野さんはじりじりと待っていたが、大型トラックが順調に走り出し、雪煙が出るくらいのスピードで走行している。4~500メートル離れて、日野さんのランクルが続く。前走のまさるのワンボックスは、トンネルの手前の大型退避ゾーンの2~3メートル前でクラッシュ、リヤーは反対車線にはみ出した状態で停止していた。大型トラックも視認したようで、シフトダウンでエンジンブレーキで停止したようだ。

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死んだふりのまさる

誰か降りたようで、近づく足音がザクザクと聞こえる。運転手側のウインドウをコツコツとたたき
「大丈夫ですか?」と、声をかけてきた。まさるは気を失ったようにハンドルにうつ伏せになり身動きしない。もう一度ウインドウをたたいて
「聞こえますか?ドアを開けますよ」と、ググッと音がした。外気がスッと感じた瞬間、内側からドアーを思い切り外に押した。覗いていた運転助手は顔面を強打され、後ろに仰向けに飛ばされ鼻血を出して動かない。

 元陸自の士官も中々手ごわい

そのころ、大型トラックでは全くこの逆の現象が起きていた。白装束(Yさん)が、トラックのボディーにピッタリ張り付き、運転手が飛び出してくるの待ち構えていた。
前方を見ていた運転手が、事故車で不穏な動きがあったので、ドアを開けてステップに足を下ろした瞬間、両足を抱えるように抱え込み引っ張られる。運転手は後頭部ステップに打ち、気絶したようだ。素早く結束バンドで両手両足を固縛、口と眼にガムテープで塞ぐ。この時間20秒も掛からない。そのまま運転席に押し上げ、助手席側に押しこむ。

いずれも2~30秒で処置

まさるも、Yさんと同じ手順で固縛・目隠しとマルタ状態にした、気絶した助手を後ろのスライドドアから押し込む。まするは、エンジンが回っているワンボックスを左側の退避ゾーンに入れる。バックナンバーを積雪で隠しながら、格闘用の薄い手袋の親指を立て、大型を運転するYさんにサインする。Yさんの大型も後につける。
日野さんは、ランクルをスタックした状態で遠くから眺めていたが、大型が退避ゾーンに姿を消したのを確認すると、Uターンして滝上の方に走って行った。

絶妙なコンビネーション

この間の作業時間は、大型が停止してから約1分30秒くらい。その間、国道#273は何事まなかったように静かだった。まさるは、助手を担ぎ上げトラックの助手席に押し込み運転手は下敷きなってうめいているがお構いなしで、運転手の脇腹に当身を入れる。Yさんは、運転手のキーホルダーを外して確認している。2人はアイコンタクトで外に出、トラックの後でYさんが、カギを選んで差し込んで回す、カチッと音がして開いたようだ。

開いた貨物室の異様さ

一瞬異様な匂いがして、思わずフェースマスクの上から口と鼻をおう。なんか家畜小屋か動物園の裏側に入ったような、異臭が漂っている。Yさんは、メットに着けたLEDのヘットライトを点灯する。中は殆どカラの様だが、ボディーの長さ方向に2段の棚のようなものが取り付けられ、奥の棚に、段ボールがキッチリ積まれている。この匂いは、何が匂うのか目で探したが、それらしいものが見当たらない。まさるは、コンデジを取り出し片っ端から撮影する。奥の棚には毛布や、鍋窯が出てきたプラと金属の食器もある。

車上狙いの工作

 棚の中を全部チェックしたが、それ以上の収穫が無い。荷台は元通りに戻し、足跡を消しながら運転室に戻る。まず、運転手を蘇生させ

「金目のものがないじゃないか、あの臭い貨物室はなんだ」と脅す。
「私たちは、雇われているだけだから、何も持っていません」と、おどおど答える。
「どこから来たんだ」と、Yさんが白装束のまま尋問を続ける。

まさるのハングルが活きる

運転手は、早口で分からない言葉で捲し立て、かなり興奮している、
「なんだこいつどこの国だ?」と、目を合わす。まさるがうなずき
「どこから何を運んでいるんだ」と似たような言葉を話すと通じた。相手は顔を回して驚いて
「大阪の堺から、この近くの工場に運んでいるんです」と言う。
「何を積んで来たんだ」と、まさるもフェース迷彩のフェースマスクから鋭く問う。
「何かわからないが、臭いんです」と、顔をしかめる。
「何が臭いんだ、中身も分からずに運ぶのか」と、殴りそうな気配で問いただす。Yさんが慌てて制する素振り、まさるは格闘用の手袋で相手の顎をぐっと持ち上げる。

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 まさる刑事並みの尋問

 息苦しくて、目を白黒にして声がかすれて居る
「カギは渡されているんですが、ざわついた感じでごそごそして居るんで人間かもしれません」
「馬鹿野郎!人間を真冬のトラックに荷台に積んで運ぶなんと信じられるか!」と、さらに顎を持ち上げる。
「いつも工場の中までバックで入り、外に出され工場の外の小屋みたいな部屋で待機し、2~3日するとどこの倉庫に何日までに届けろ!と言われるだけで、立ち会ったことが無いんです」と、目に涙を滲ませて訴えるような気配だ。
「工場は何処にあるんだ?」と、少し穏やかに聞く。
「大阪の堺市の倉庫と、石川県の柴垣町の国道249の倉庫から、ここの滝上町の倉庫に運ぶんです」まさるがイラついた声で
「おいっ おめぇら何だか分からないものを運んで可なりヤバいな、警察に捕まった事ねぇのか?」
「捕まっても、絶対に滝上の工場や倉庫の事を言うことは禁じられています、それにこの車以外に青ナンバーの4トンくらいの小さいに車も入ることがあります」
「なんじゃい、今、ペラペラしゃべっているじゃないか、4トン車はお前んとこか?」と、まさるが怒り声になる。
「うちの車じゃないです、警察は人殺しはやりませんから、しゃべらないんです」
「なんだ、俺たちは人殺しを遣ると言うのか?」と、まさるは、さっきより強い調子で顎を捩じ上げる。
「いぇその~」と涙声だ。
「俺たちは、金さえ有ればいいんだよ」と、顎から手を放し運転手のポケットに手を入れて、財布を取り出し開けてみる。
「あまり持っていないなぁ」と、Yさんに渡す。Yさんも尤もらしく数えていたが
「3万ちょっとだよ」と、不満そうな声を出す。まさるは、さらに反対のポケットから運転免許証を取り出し、
「一応,大型を持っているんだな」と言いながら、身分証明書も引っ張り出す。
「神戸の運送会社か?」と、言ってYさんに渡す。まさるは助手席に床に転がしている助手に目をやり、ポケットを探る。
「こっちも時化てるなぁ」と、財布と社員証をYさんに渡す。さらにあっちこっちのポケットを探ったが目ぼしいものは無い。Yさんがうなずく瞬間にまさるの当身が、助手と運転手の脇腹に炸裂。

 トラックはエンジンをかけ、暖房も付けて眠っている2人をそのままに、周りの足跡は徹底的に消し後ずさりながらワンボックスに乗る。Yさんは車の轍も丁寧に消し車道に出たところで乗り込む。